にこにこ元気堂!

人生がちょっと幸せになるような、ちょっと面白い話をたくさん書きたいと思います!

死について、考えてみたことがありますか?

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死は恐れる事ではない。
なぜ生きるか?
この本は、様々なことを教えてくれた、稀有な人間の自伝です。

 

 

死について、誰でも1度は考えた方がいいと思う理由(わけ)

*書評「人生は廻る輪のように」 エリザベス・キューブラー・ロス 


みんな誰でも1度は死ぬ。(普通はね…。笑)
でも、普段生きているときは、この当たり前のことをほとんど忘れている。


最初の書評で、なぜこの本を選んだか?

ひとつは、
今まで亡くなった身近な人が、
死期が迫ると、みんな不安を口にしておびえていたので
死について知り、考えてもらうきっかけとするには
ベストな本だと思ったから。

ふたつ目は、
今まで読んだ本のなかで、キューブラーロスの著作は
ベスト5に入る良書だから。
科学者(精神科医)だけあって分析も的確で、
その上、彼女はとても自由な魂の持ち主だから、学ぶことが多かった。

三つ目は、
「何のために人間は生きているか?」
 という事を教えてくれた本だから。

(初めて読んだのは、20年前。
 ここに書かれていることに間違いはないと今も思う。)

エリザベス・キューブラー・ロスは、
世界的な大ベストセラー「死ぬ瞬間」の著者で、著名な精神科医だ。

キューブラーロスは、
回復が不可能で
死が目の前に迫った終末期の患者を専門に研究・サポートした。
彼女自身は2004年に亡くなったが、
死に関しての多くの著作は、長く多くの人に読み継がれている。


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キューブラーロスの人生は、恐ろしいほどの困難の連続。

人類に対し、大きな功績を残したけど、
それと引き換えに、公私ともに耐えがたいほどの苦痛を耐え抜いた。

たぶん彼女は、いわゆる「神に選ばれた人」なんだろうけど、

神に選ばれると、
死ぬまでこんな過酷な試練を与え続けられるんだな~と、恐ろしくなった。
まるで、キリストのようだ。。。

ここまで強い魂の持ち主だから、
これだけの人生を耐え抜け、
結果として、自分と多くの人に「恩寵」を残せたんだと思う。

 

誰でも死ぬのに、
死について1度もじっくり考えたことがない人が多い。

で、いざ病気やけがなどで死に直面すると、
もう不安と恐怖でいっぱいになる。

人間は、変化を恐れ安定を好むから、
余程のことがない限り、死ぬことなんてサイアク(?)なことは
考えたくないのだ!

でも、誰でもいつ死ぬかわからないから、
常にいつ死んでもいいように、
死に関しての多少の知識や自分なりの考えをもっていれば、
死ぬ時、慌てないですむでしょ?

むかし、
母が家にきた新興宗教の勧誘のオバサンに、
「あなたは54歳で死ぬ!」と言われ、
恐怖におののき10万以上もする高い印鑑を買わされた!!

 アホや~!
 そこらの勧誘のオバサンが
 人の死ぬ時期なんて当てられるはずないのに。。。

 死ぬ時期がわかるくらい霊能力があったら
 とっくにオバサン本人が教祖になってる!(笑)

 で、母は印鑑を買わされた後も、ちっとも恐怖はぬぐえず、

「私、54で死ぬって言われた。。。(暗)」と
 呪いの呪文のように言い続け、
 あんなに思い込んだら、ほんとに死ぬかも?と思った…けど
 死ななかった。(苦笑)

元気でピンピンしていた母が、
これだけ死に対しての恐怖心がある位だから、
末期がんで余命宣告を受けた父は尚更だった。

末期がんで、余命1か月(!)と宣告を受け、闘病6か月。
亡くなる1週間前に、急に
「死んだら、どうしよう!!!」
と言い出し、
その後、呼吸困難におちいり、あっという間に危篤状態に・・・。

その少し前に、
なんと「お迎え」が来たのを見ちゃったのだ!!
それで、一気にパニック状態になってしまった。

その時までは、苦痛もほとんどなく、頭もはっきりしていて、
老衰のように穏やかに最期を迎えられそうだったのに、
ヘンなお迎えが
2人も来ちゃって台無しに。。。


(在宅訪問医の先生の本で、
 担当した患者さんの半数近くが「お迎え」を見たと言っていたそうだ。
 割とよくある話みたい。)

20年くらい前、やはりベストセラーになった「チベット死者の書」。

チベット密教では、
死ぬ前と死んだあと、お坊さんが毎日家にきてくれて、
死にゆく人のそばで
「これから死んだらどうなるか」を
何日にもわたって話して聞かせてくれるそうだ。


い~なぁ。
日本のナマグサ坊主にお経を読んでもらうより、
安らかに確実にあの世に行けそう。。。

こんなお坊さんがいてくれたら、父もパニックにならずに死ねたのに。。。


やはり、自分なりの死生観はもっていた方がいいと思う。


死にそうになってから不安で苦しむのは辛いし、
身近な人が亡くなるときに恐怖で苦しんでいたら、見ているだけで辛い。
やはり、なにか慰めになることを話してあげたい。

 

30歳で、末期の胃がんで亡くなったいとこ(女性)は、
入院中、真夜中に病院からうちの母にTELしてきて、
「不安で不安で眠れない。」と訴えた。

結局、誰に相談しても恐怖や不安はなくならず、
とうとう亡くなる直前、
カトリックの洗礼を受け、神にすがって逝った。


亡くなった彼女の死に顔は、
今まで見たことがないくらい
どす黒く、土気色をしていて、
彼女の恐ろしいくらいの苦悶が表れているようで正直怖かった。

魂は安らかであって欲しいと祈ったけど、神は救ってくれただろうか。

とても優しい、いい人だったから、
死ぬ時迷わなければ、そのまま天国に行けたとは思うけど・・・。

うちはガン家系で、祖母と叔母もガンで亡くなったが、
2人共亡くなる前は、不安と恐怖でいっぱいだった。


叔母は、長く小学校の校長を務めた知的で理性的な人で、
私が出会った人の中で、ベスト3に入るほどの「鉄の女」だった。

乳ガンになってから7年もの間、転移を繰り返したが耐え抜き、
エンディングノートも用意し、
80歳で最後にホスピスに入ったときは、
何もかも受け入れ覚悟しているように見えた。

しかし、だんだんと別人のように不安と寂しさを訴え、
亡くなる直前は、
逆に最も親しかった姉妹や親友との面会を拒絶し、
混乱と無念で一杯だった。


モルヒネで朦朧とする中で、
「何でこんなことになったかわからない。」と繰り返した姿が忘れられない。


次回、書評を書きます。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。